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債務整理の和解とは?和解で絶対にやってはいけないこと

債務整理の和解とは?和解で絶対にやってはいけないこと

最終更新日:

グリングリン

ねーねー、辻本さん。債務整理の「和解」ってなに?

司法書士・辻本

債務整理における和解とは、借金問題を解決するために必要な過程のひとつになります。和解には注意しないといけないポイントがあって、失敗すると最悪の結果を招いてしまうことがあります。

グリングリン

最悪の結果…… 気になる~。早く教えて!

司法書士・辻本

それでは今回は、和解についてと、和解で注意すべきポイントについて解説していきます。


債務整理の和解とは?

司法書士・辻本

債務整理には、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産という4つの手続きがあります。どの手続きも借金返済の負担の軽減が目的ですが、手続きの内容は大きく異なります。

グリングリン

債務整理っていろいろな種類があるんだね

司法書士・辻本

任意整理は、貸金業者(債権者)と裁判外で交渉・和解することによって返済負担の軽減を図る手続きです。

特定調停は、任意整理に近い内容を簡易裁判所を通じて “個人で” 行う手続きになります。

個人再生・自己破産は、裁判所から許可(場合によっては債権者からの同意)を得ることで返済負担を軽減する手続きになります。

↓↓債務整理をマンガとイラストを使ってわかりやすく解説
【関連記事】債務整理とは?デメリットと手続きをマンガでわかりやすく説明

【関連記事】任意整理と個人再生の違い

グリングリン

どの債務整理手続きにも「和解」って関係してくるの?

司法書士・辻本

いいえ、債務整理手続きの中で「和解」という言葉が出てくるのは任意整理だけになります。

グリングリン

へ~

司法書士・辻本

「任意整理(債務整理)の和解」とは、貸金業者(債権者)が、債務者に無理のない返済計画を組み直すことを認めることを意味します。

グリングリン

なるほど~

和解ができる債務整理の手続きは任意整理だけ

司法書士・辻本

任意整理は主に、将来利息をカットすることによって、毎月の負担を軽減する手続きです。

任意整理では、まず対象となる方の借金総額や返済状況について調査し、同時に1か月の収支の中から、生活に支障のない範囲で返済可能額を算出します。その後、調査結果と返済可能額をもとに、一般的に3~5年程度で完済できるよう返済計画を立てます。

任意整理は、ほかの債務整理とくらべてデメリットや制限が少なく、家族や職場などに知られることなく手続きができるため、最も多くの方に利用されています。

グリングリン

任意整理って、利用しやすい手続きなんだね。

 
任意整理のメリット
 

↓↓任意整理をわかりやすく解説します
【関連記事】任意整理とは?デメリットやメリットを漫画でわかりやすく説明

司法書士・辻本

しかし、この返済計画は、あくまで返済する側が一方的に作成したものでしかありません。実現させるには、債権者側との交渉、そして和解が必要になります。

個人再生・自己破産には和解がない?

個人再生・自己破産は、任意整理と異なり、債権者との交渉・和解によって借金を減額する手続きではありません。

手続きは裁判所で行い、減額についての最終的な判断を下すのは裁判官であり、個別に交渉したり、和解することはありません。

任意整理は状況に応じて柔軟な対応が可能

司法書士・辻本

一方、任意整理は債権者と個別に交渉・和解ができるため、特定の債権者を優先して返済したり、手続きの対象からはずしたりといった柔軟な対応ができます。

自己破産・個人再生には債権者平等の原則があるため、友人・親戚など特定の債権者を特別扱いできませんが、任意整理の場合、友人・親戚からの借入を手続きの対象からはずすことも可能です。

グリングリン

個人再生は大幅な借金減額、自己破産は借金が免除されたり、大きなメリットが受けられるけど、任意整理とくらべて融通が利かない手続きなんだね。

和解のメリット・デメリット

司法書士・辻本

和解のメリットですが、これはズバリ、借金問題に悩む必要がなくなることでしょう。

任意整理の和解を成立させることで、支払い負担は大幅に軽減されます。完済までの期間も3~5年程度と、明確になります。

グリングリン

滞納するたびに鳴る債権者からの電話や督促状が自宅に届く日々から抜け出すことができるんだね。

司法書士・辻本

デメリットも見ていきましょう。

グリングリン

ちょっと聞くのが怖い……

司法書士・辻本

任意整理の和解が成立すると、前述したとおり一般的な完済までの期間は3~5年程度ですが、完済から5年程度は新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなります。

これは、信用情報機関に事故情報が登録されるためです。これが、任意整理の和解において考えられる大きなデメリットになります。

 
債務整理をしたときに事故情報が掲載されるデメリット
 

任意整理のデメリットについて詳しくはこちら

グリングリン

いわゆるブラックリストってやつだね…… 完済から5年程度はお金を借りられなくなってしまうのか。このデメリットは、ちょっと大きいなー。

司法書士・辻本

たしかに一定期間、お金を借りることができなくなりますが、考えようによっては、借金したくてもできないというメリットにもなります。

この期間は、借金に頼らずに収入の範囲で生活する習慣を身につけるための期間、と考えることもできます。

グリングリン

発想の転換!

和解の注意点

グリングリン

和解のデメリットをメリットと捉えれば怖いもんなしだね。たしか任意整理って個人で手続きできたよね? いますぐ任意整理の手続きをして和解したい!!

司法書士・辻本

グリングリン、ちょっと待ってください。和解には大きな注意点があると言いましたね。

グリングリン

そういえば、気をつけないと最悪の結果になるとか……

司法書士・辻本

任意整理の和解には、懈怠約款(けたいやっかん)が和解条項に盛り込まれることがほとんどです。

グリングリン

け、けたいやっかん??

司法書士・辻本

懈怠約款とは、契約通りの返済が行われなかった場合に、債務者側が負う責任についての取り決めです。

一般的な任意整理における懈怠約款は、支払いが2回以上遅れた場合、遅延損害金や一括返済の義務を負うといった内容になっています。

グリングリン

ひえ~

司法書士・辻本

任意整理の和解は、かんたんにくつがえすことができません。和解後に事情が変わって、取り決めどおりに返済できなってしまうこともあるかもしれませんが、再和解の交渉は非常に困難になるということを心に留めておきましょう。

特に、最初の和解から再和解までの期間が短いと債権者に警戒されて、より交渉が困難になります。もし債権者に交渉の余地なしと判断されてしまうと、裁判を起こされる危険性が高まり、最悪のケースでは給与の差し押さえ、職場に裁判所からの通知が届くこともあります。

グリングリン

約束どおりに返済しなきゃいけないのは充分わかってても、失業だったり、病気だったり、人生っていろいろあるじゃないですかー

司法書士・辻本

グリングリン、だからこそ注意しないといけません。任意整理の手続きを個人で行うと悪い条件で任意整理の和解をさせられてしまう可能性があるのです。

グリングリン

え??

司法書士・辻本

貸金業者は、利息や手数料によって利益を得ています。債務整理によってこれらがカットされるとなれば、貸金業者も利益を失うことになり、かんたんには交渉に応じてくれない場合が多いです。

グリングリン

どうしたらいいの?

司法書士・辻本

債務者にとって有利な和解を成立させるためには、交渉力と専門的な知識、そして経験が必要になります。

一般の方が個人で債権者と交渉すると、不利な条件で和解してしまう恐れがあります。貸金業者は減額交渉などには慣れていますし、もちろん知識も豊富です。

グリングリン

なるほど! 和解は、債務整理の実績が豊富で交渉力も専門知識も持ち合わせている法律事務所とよく相談して慎重に進めないと危険なんだね。

司法書士・辻本

はい。和解の取り決めどおりに返済できないことが任意整理における一番の失敗です。最悪の結果にしないためにも毎月の返済額や返済期間については慎重に検討しましょう。

みどり法務事務所では、借金や任意整理の相談を無料で受け付けております。誰にも知られずに、借金問題を解決するための一歩を踏み出せます。

 
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司法書士・辻本

電話やメールはもちろんのこと、LINEを活用した無料相談も実施しております。仮名でご利用いただけますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

グリングリン

経験豊富な人に返済額や返済期間を一緒に決めてもらえたら、こんなに心強いことはないね。

 
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【関連記事】債務整理後はクレジットカードが使えない。いつから作れる?

まとめ

司法書士・辻本

債務整理の中で、和解が必要になる手続きは任意整理です。任意整理の和解が成立すれば、借金の返済負担が軽減され、ゆとりのある生活を取り戻すことができます

しかし、返済負担を軽減させるために重要な借金の利息や手数料のカットは、債権者からすれば利益を失うこととなり、交渉は簡単ではありません。

最近では、インターネットで専門的な情報を入手するのが簡単になりました。しかし、いくら専門知識を得たからといって、個人で和解を進めることは推奨できません。なぜなら、相手である貸金業者は、日頃から弁護士や司法書士とやり取りする機会が多く、交渉そのものに慣れています。個人で交渉をすると揚げ足を取られることもあり、失敗するリスクが高くなります。

また、和解までの期間が長引くほど遅延損害金はどんどん膨らんでいきます。債権者から裁判を起こされるリスクも高くなるでしょう。

グリングリン

自分で任意整理の交渉をやるのはリスクが高いんだね。

司法書士・辻本

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