債務整理と過払い金請求の違い｜どちらも過払い金を取り戻せる

最終更新日：2022年10月21日

債務整理と過払い金請求の違いには「目的」と「信用情報の事故情報（ブラックリスト）登録の有無」というポイントがあります。

また、司法書士や弁護士に債務整理を依頼した場合、過払い金が発生していれば手続きの中で取り戻すことができます。

今回は、債務整理と過払い金請求の違い、債務整理中に過払い金を取り戻す方法についてお伝えします。

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債務整理と過払い金請求の一番の違いは「目的」

債務整理と過払い金請求は、目的が異なる手続きです。

債務整理は、支払いが困難な借金を抱える方が、下記を通じて返済の負担を軽減する手続きです。

司法書士や弁護士に債務整理を依頼する場合、残債（残りの借金）や毎月の返済可能額などを確認し、任意整理・個人再生・自己破産という手続きの中から、お客さまの状況や希望に最適なものを選びます。

過払い金請求は、過去に払い過ぎた利息＝過払い金を返還する（取り戻す）手続きです。

過払い金は、2007年ごろまでにお金を借りたことがある方に発生している可能性が高く、借りた先が倒産していたり、最後の取引から10年経過していたりしなければ請求して取り戻すことができます。

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完済後の過払い金請求なら、信用情報（ブラックリスト）に影響はない

債務整理をすると、どの手続きでも一定の期間は、信用情報に事故情報が掲載されます。

事故情報が載っている状態を俗に「ブラックリスト」と呼ぶことがあります。

個人の信用情報には、契約通りに支払いできたかなどの情報が記されていて、カード会社やローン会社が審査の際に利用します。

事故情報が掲載されている間は、借入やローン、クレジットカード発行などの審査に通りにくくなりますが、一定期間が経過すると事故情報は削除されます。

一方、過払い金請求は、貸金業者が利息制限法の上限を超えて設定した、本来払う必要のなかった「払い過ぎた利息」を返してもらう手続きなので、信用情報には影響がありません。

また、返済中の借入先にも過払い金が発生していることがあります。

返済中に過払い金請求すると、信用情報に影響が出る可能性があるので注意が必要です。

返済中に過払い金請求をすると、信用情報に影響がある

借金の返済中に過払い金請求をすることがあります。

返ってきた過払い金で残債を減らしたり、借金をゼロにしたうえで手元に過払い金を取り戻したりできるからです。

ただし、その業者の残債から過払い金を差し引いても、借金が残ってしまう場合は債務整理の「任意整理」扱いになり、信用情報に事故情報が掲載されます。

※業者によっては借金が残らなくても、一時的（半年～1年程度）に「債務整理をした」という事故情報が登録される可能性がある。しかし、手続きが終わった段階で事故情報は削除される

返済中の貸金業者に過払い金請求する場合、過払い金がいくら発生しているか調査する段階で「借金が残って任意整理扱いになってしまうか」判断できます。

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債務整理でも、過払い金を取り戻せる

任意整理で過払い金が発生していた場合

任意整理は、利息や遅延損害金をカットし、毎月の返済額を減らして3～5年程度で完済できるようにする手続きです。保証人つきや親族からの借り入れを除いて手続きすることも可能です。

業者ごとに取引履歴を取得し、正しい金利で引き直し計算をして、過払い金が発生している場合は請求手続きを行います。戻ってきた過払い金を差し引くことで（任意整理でも）借金の元本を減らすことができます。

戻ってきた過払い金で借金がなくなる場合は、信用情報に影響はありません。
※手続き期間中（半年～1年程度）だけ事故情報が掲載される業者もある

過払い金を差し引いても残債が残ってしまう場合は、任意整理扱いになり事故情報が掲載されますが、完済から5年程度で削除されます。

個人再生で過払い金が発生していた場合

個人再生は、借金の元本を減額することができる手続きです。

準備段階で過払い金が発生していることが判明した場合、裁判所への申し立て前に請求を行い、戻ってきた過払い金を手続き費用や生活費などにあてることが可能です。

ただし、高額の過払い金が発生していた場合、個人再生後の返済額が増えてしまう可能性があります。※個人再生後の返済額は、残債と財産によって決まるため

自己破産で過払い金が発生していた場合

自己破産は、税金などを除くすべての借金の返済義務を免除できる手続きです。

準備段階で過払い金が発生していることが判明した場合、裁判所への申し立て前に請求を行い、戻ってきた過払い金を手続き費用や生活費などにあてることが可能です。

ただし、過払い金の金額が一定額を超える場合※1 は財産となり換価処分（債権者に配当）することになります。※1：金額等は裁判所によって異なる

債務整理後に過払い金請求できる？

どの債務整理手続きを行っても、最初に取引履歴を確認し過払い金があるかを確認するので、債務整理後に過払い金請求するというパターンはまれです。

たとえば任意整理手続きを終えると、貸金業者と本人の間で和解書を取り交わします。

その中に「債権債務なし」という文言が入っていると、今後過払い金請求ができない可能性が高いです。

【関連記事】任意整理後や条件変更後でも過払い金請求はできるのか？

債務整理や過払い金請求に強い司法書士・弁護士事務所に相談すれば「Aカードは戻ってくる過払い金が少ないし、カードを使えなくなるのが嫌だから請求しない」「消費者金融Bに過払い金請求して、戻ってきた過払い金でCカードの残債を完済する」といったことも可能です。

面談で聞かれる内容、面談前に準備しておくとよいものをまとめた記事はこちらです。